心底ねこちゃん

にんげんにはねこちゃんが必要な時がある。にんげんによってそれは様々だが、私にとってそれは今だった。どうしようもなく頭がぐるぐるして眠れない。しかし私のそばにはねこちゃんがいない。というわけでイマジナリーねこちゃんの出番である。
イマジナリーねこちゃん。もちろんイマジナリーわんちゃんも素敵だけれど、わんちゃんではこちらに飛びかかってじゃれついてしまう。申し訳ないが、今は静かに沈みたい気分なのだ。こんな時はやはりねこちゃんである。

イマジナリーねこちゃんはこちらに背中を見せて静かにしている。綺麗な背中だ。小さい頭に手をうずめて撫でる。柔らかい毛並みを感じる。手のひらがぬくくなってくる。ねこちゃんの耳に手を伸ばす。ふにふにと触り始める。もちろん機嫌を損ねないように優しくである。ねこちゃんもそれが分かっているのか、何も言わないでいてくれる。賢いな、優しいな。そして何より果てしなくかわいいな。

そんなことを思っているうちに、イマジナリーねこちゃんはいなくなっている。おかげで今夜は気持ちよく眠れるかもしれない。ありがとうねこちゃん。また会おうね。